土日は授業、平日はコンビニでアルバイトと休みなしで働いていた。
お金はない、アルバイト先では、学生に媚びを売りながら働く。
そんな毎日を繰り返していた。
それでも次第にお金はなくなり。
事務所とアパートのお金が払えなくなりそうだったので、アパートを引き払って、事務所に住むことにした。
事務所にはシャワー室がなかったので、貧乏芸人さながら、シンクで頭を洗い、身体はギャッツビーのフェイシャルシートで拭いていた。
頭だけ洗っておけば毎日シャワーを浴びなくても匂いはしないものだ。
その頃の唯一の楽しみは、毎週金曜日にスーパー銭湯に行くことだった。
家にお風呂があるのが、当たり前になった世の中なので、銭湯の数は激減している。
僕の生まれ育った地域には近くに何箇所か小さな銭湯があったが、最近では銭湯事態ある地域はあまりない。
だがスーパー銭湯は流行っているので探せば結構ある。
しかし料金は普通の銭湯の2倍近くする。
しかしながら僕の唯一の贅沢なので、これだけは外せなかった。
回数券を買ってできるだけ費用を抑えていた。
スーパー銭湯に行ってサウナに入っている時だけは現実を少しだけ忘れられた。
しかしながら現実はすぐにやってくる。
毎日一人になると、涙が止まらなかった。
俺はこんな目に遭うために海外に行ったんじゃない。
何がいけなかったのか?
あまり人に嫉妬したりしない僕だが、初めて周りが羨ましく感じた。
なんで俺だけ…
やはりビジネスをするにはお金が必要だ。
そう思っていた頃に転機が訪れる。
つづく… 27.お金があるって素晴らしい